【2025年最新版】看護師国家試験 合格率・ボーダーライン・難易度を徹底解説
2025年2月に実施された第114回看護師国家試験の合格率は90.1%でした。数字だけ見ると「10人中9人は受かる試験」と言えますが、多くの看護学生が「国試=怖い試験」というイメージを持ち続けています。
その背景には、次のような要素があります。
- 新卒と既卒で合格率に大きな差がある(新卒は高合格率だが既卒は低くなりやすい)。
- 合格率は高く見えても、「必修40点」「一般+状況でボーダー以上」という2つの条件を同時に満たさなければならない。
- 年によって問題の傾向や難易度が変化し、「難しい年」に当たると合格率が下がることがある。
つまり、「合格率が高い=簡単」ではなく、「合格率を高く保つようにボーダーが調整される試験」だからこそ、正しい基準と難易度感を知っておくことが重要です。
この記事では、第114回(2025年)のデータと過去の傾向をもとに、看護師国家試験の「合格率」「ボーダーライン」「難易度」を整理し、「どこまで取れれば安全圏か」「どんな年が危ないのか」を具体的に解説します。
2025年(第114回)の合格率とボーダーライン
第114回看護師国家試験の基本データ
第114回看護師国家試験の結果は以下のように報告されています。
- 受験者数:6万人台前半
- 合格者数:5万人台後半
- 合格率:約90.1%
- 新卒合格率:9割台後半
- 既卒合格率:おおよそ半数弱にとどまる年度が多い
過去10年前後の平均合格率は概ね89〜91%前後で推移しており、第114回も「ほぼ例年並み〜やや高め」と評価できる水準です。新卒と既卒の合格率の差は例年大きく、既卒の合格率は4〜5割程度にとどまる年度が多くなっています。
第114回の合格基準(ボーダーライン)
第114回試験の合格基準は次の2つを同時に満たすことでした。
- 必修問題:50問中40問以上(80%以上)
- 一般問題+状況設定問題:250点満点中、おおよそ150点弱が合格ボーダー
ここ数年のデータからも、必修は「50問中40問が目安」、一般+状況は「250点中145〜160点前後」がボーダーとして設定されることが多く、年度ごとの難易度に応じて数点の上下があります。第114回は一般+状況のボーダーがやや低めに設定されており、「問題は決して易しくなかったが、ボーダー調整によって合格率は高水準が保たれた試験」といえます。
過去の推移から見る合格率と難易度
合格率は「90%前後」で安定
過去10年前後の看護師国家試験の合格率を振り返ると、多くの年度で89〜91%台に収まっています。これは、試験の目的が「一定水準以上の看護師を毎年安定して輩出すること」にあるため、問題の難易度や合格基準点を調整しながら合格率が大きくぶれないように設計されているからです。
イメージとしては、
- 問題が難しい年:平均点が下がる → ボーダーが下がる
- 問題がやや易しい年:平均点が上がる → ボーダーが上がる
という形で調整されており、「合格率は安定しているが、毎年の得点感覚は変わる」という特徴があります。
「難しい年」に見られる特徴
近年「難しい年」として話題になる回では、次のような特徴が見られます。
- 必修に不適切問題が含まれ、後から採点方法が調整される。
- 一般問題・状況設定問題の文章量・情報量が増え、時間内に読み切ること自体が負担となる。
- 新しい出題基準や社会状況(感染症・在宅・地域包括ケアなど)を反映した、見慣れない切り口の問題が増える。
こうした年度では、合格率がやや下がる一方で、ボーダーは高めに維持されることもあり、「全体として難しかった」「精神的負担が大きい回だった」という印象が残ります。
新卒と既卒で異なる「難易度の体感」
新卒と既卒の合格率に大きな差があるのは、同じ試験でも「置かれている環境」が違うからです。
- 新卒:学校の授業・実習・模試・仲間との勉強会など、国試対策の環境が整っている。
- 既卒:仕事や家庭と両立しながらの勉強になり、孤独感やモチベーション低下とも戦わなければならない。
そのため、同じ問題でも、既卒にとっては「難易度が高く感じる」ことが多く、合格率の差に現れてきます。
合格率90%の裏にある「本当の難しさ」
ポイント1:合格条件は「2つのボーダー」を同時に超えること
看護師国家試験の合格条件は非常にシンプルですが、厳格です。
- 必修:50問中40問以上(80%以上)
- 一般+状況設定:年度ごとに定められるボーダーライン以上
どちらか一方をクリアしても合格にはなりません。特に必修は、1問の重みが大きく、数問のケアレスミスが命取りになり得ます。「一般・状況はボーダーを大きく超えたのに、必修で1〜2問足りずに不合格」というケースも毎年一定数出ています。
ポイント2:ボーダーは「年によって変動する」
一般+状況設定問題のボーダーは、直近の傾向ではだいたい145〜160点前後の範囲で動いています。これは、問題の難易度や受験生全体の得点分布を踏まえて調整されるためです。
受験生目線では、「何点取れば絶対合格」とは言い切れないため、
- ボーダーちょうどを狙うのではなく、「ボーダー+10〜20点」程度を目標にする。
- 年度による難易度の変動を見越して、余裕を持った得点力を付けておく。
といった考え方が必要になります。
ポイント3:「出題基準の変化」と「応用力重視」の流れ
近年の出題基準では、「感染症」「在宅・地域包括ケア」「高齢者・認知症」「精神・老年」「社会保障制度」など、社会の変化を反映したテーマが明確に位置づけられています。それに伴い、試験も「知識を覚えているか」だけでなく、「実際の場面でどう判断するか」を問う傾向が強くなっています。
特に状況設定問題では、患者背景・検査データ・家族情報・社会資源などをまとめて提示し、「今、看護師として何を優先すべきか」を選ばせる問題が増えています。過去問の答えだけを丸暗記する勉強法では通用しにくくなっているのが、現在の難しさの本質です。
合格率90%の試験で確実に合格するための戦略
戦略1:目標は「必修45点・一般+状況160〜170点」
ボーダーラインが年度によって変動することを踏まえると、安全圏の目安として次のラインを目標にするのがおすすめです。
- 必修:40点が最低ライン → 目標は45点以上
- 一般+状況:ボーダーが145〜160点前後 → 目標は160〜170点程度
もちろん個人差はありますが、「必修45点・一般+状況160点」を安定して超えられる実力があれば、難しい年に当たっても合格可能性はかなり高くなります。
戦略2:必修は「落とさない」ことに特化した勉強をする
必修問題は、「高得点を狙う」というよりも、「40点を絶対に下回らない」勉強が重要です。
- 基礎看護学・解剖生理・疾病の成り立ち・感染対策・安全管理・社会保障など、必修の頻出分野を重点的に反復する。
- 過去問・模試の必修だけをまとめて解き、8割を切った分野を徹底的に復習する。
- 数値・用語などの暗記事項はカードやアプリなどを使い、毎日短時間でも触れる。
直前期には「必修だけを解く日」を意図的に作り、40点割れの不安を完全に潰しておくと、試験本番での緊張も和らぎます。
戦略3:一般・状況は「頻出分野+状況設定慣れ」で勝負
一般問題と状況設定問題では、出題が集中しやすい分野があります。基礎・成人・母性・小児・精神・老年・社会保障などの頻出分野を優先的に固め、「出題数の多いところで確実に得点する」ことが重要です。
あわせて、状況設定問題には早いうちから触れておきましょう。
- 週に数問でもいいので、長文の状況設定に慣れる。
- 解答後は、「なぜその選択肢が正解なのか」「ほかの選択肢はなぜ違うのか」を必ず確認する。
- 患者情報のどこに注目すべきか(年齢・背景・検査値・症状など)を意識しながら読む。
こうした積み重ねが、「知らないパターンの問題でも、落ち着いて考えれば解ける」という応用力につながります。
戦略4:既卒・再受験組は「環境づくり」と「ペースメイク」が最優先
既卒受験生にとっての最大のハードルは、「試験内容そのもの」よりも「勉強を続ける環境」と「時間の確保」です。
- 勉強する時間帯・場所を固定し、「毎日◯時間は必ず国試勉強」というリズムを先に作る。
- 独学で続かない場合は、オンライン講座や個別指導・国試専門予備校など、ペースメイクしてくれる仕組みを取り入れる。
- 模試や過去問の結果から「合格ラインまであと何点必要か」を数値で把握し、月ごと・週ごとに目標点を設定する。
「今年で必ず終わらせる」という覚悟を、具体的な計画と環境に落とし込むことが、既卒組にとっての合格への近道になります。
戦略5:難易度の「波」に振り回されないメンタルづくり
最後に、年度ごとの難易度の「波」に振り回されないための考え方です。
- 難しい年はボーダーが下がり、易しい年はボーダーが上がる。
- 自分ではコントロールできない要素は気にしすぎず、「どの年でも通用する基礎力」を磨くことに集中する。
- 合格率90%前後という数字は、「正しい方向で努力すれば、十分に届くライン」である。
合格率・ボーダーライン・難易度という数字を正しく理解し、「自分はどこまで点を取るべきか」「どこを優先して勉強すべきか」がクリアになれば、国試への怖さは必ず小さくなります。あとは、その戦略に沿って一歩ずつ積み重ねていくことが、確実な合格への一番の近道です。

