看護師国家試験の合格率は毎年90%前後と高く、「きちんと準備すれば、ほとんどの人は受かる試験」です。それでも不安になるのは自然なことですが、「受かる人の特徴」を知ることで、不安を具体的な行動に変えていくことができます。
90%以上が受かるのに、なぜそんなに不安なのか
看護師国家試験は、「落とすため」ではなく「安全に働ける基礎力があるかを確認する」ための試験です。それでも多くの受験生が強い不安を抱えるのは、試験の仕組みや勉強のゴールが見えづらいことが大きく関係しています。
よくある不安の背景には、次のような要素があります。
- 合格ライン(必修+一般・状況)のイメージがぼんやりしていて、「どこまでやればいいか」が分からない。
- 模試や過去問の結果を、周りの友だちと比べてしまう。
- 「1点でも足りなければ不合格」というイメージだけが残りやすい。
ただし、合格率90%という数字は、「平均的な勉強をしている人のほとんどは受かっている」という意味でもあります。不安を完全に消すことは難しくても、「合格している人がどんな準備をしていたのか」を知ることで、不安を少しずつ小さくしていくことはできます。
「受かる人」に共通する5つの特徴
特徴1:出題基準と過去問を“軸”にしている
合格している人は、「教科書を最初から順番に」ではなく、「出題基準と過去問」から逆算して勉強しています。何をどこまでやるかを、自分でコントロールできているのが大きな特徴です。
- 出題基準を印刷して、チェックリストのように使っている。
- 小項目ごとに、「どのテキスト・どの問題集で学ぶか」を紐づけている。
- 過去問は「何周したか」より、「間違えた問題をどこまで潰せたか」で進み具合を判断している。
同じ時間勉強していても、「出題基準と過去問に沿っているかどうか」で、得点の伸び方は大きく変わります。
特徴2:必修を“別枠”で管理して、早めに安心ラインを作る
合格者の多くは、「必修は別科目」として早い段階から対策しています。必修40点を早めに固めておくことで、「最悪そこでは落ちない」という安心材料を作っています。
- 必修専用のノートやカードを作り、感染・統計・社会保障・倫理・安全などのキーワードをまとめている。
- 毎日10〜15分だけ、「必修だけ」を確認する時間を確保している。
- 直前期までに、必修50問を本番時間で何度か解き、40点ラインを確認している。
必修の不安が小さくなると、一般問題・状況設定問題に落ち着いて集中できるようになります。
特徴3:過去問の「復習の質」が高い(×を“宝”にしている)
「過去問を何周もしたのに伸びない」という声の一方で、合格者は「過去問の復習の質」にこだわっています。特に「間違えた問題」をどう扱うかが分かれ目になります。
- ×や自信のなかった問題だけをノートやアプリに集約している。
- 1問ごとに、「なぜ間違えたのか」「どう考えればよかったのか」を1〜2行でメモしている。
- 同じテーマの問題を束にして解き、関連する知識をセットで覚えている。
「1問=1知識」ではなく、「1問から2〜3の知識に広げる」イメージで復習すると、初めて見る問題にも対応しやすくなります。
特徴4:勉強法と教材をコロコロ変えない
不安が強い人ほど、「もっといい参考書があるのでは?」と探し続けてしまいがちです。一方で、合格者は「完璧な教材」を探すよりも、「決めた教材をやり切る」ことを重視しています。
- 基礎テキスト1冊、過去問集1〜2冊、必修対策本1冊程度に絞っている。
- SNSで新しい教材を見ても、「今のセットでカバーできない部分」以外は基本的に手を出さない。
- 問題を解くときの読み方・考え方の「自分ルール(型)」を決め、全問題で貫いている。
教材を絞るからこそ、1冊目の理解が深まり、知識がバラバラではなく「つながった状態」になっていきます。
特徴5:生活リズムとメンタルを“試験対策の一部”として扱っている
合格者は、勉強内容だけでなく、「当日のコンディション」を作ることも試験対策と考えています。知識があっても、本番で頭が回らなければ意味がないことを理解しているからです。
- 試験1ヶ月前から、本番当日と同じ時間に起きて、同じ時間帯に勉強する。
- 睡眠時間を極端に削らず、6〜7時間は確保するよう心がける。
- 毎日「今日やること」を3つに絞り、それを終えたらチェックをつけて達成感を可視化している。
「休む」「整える」はサボりではなく、「当日に力を発揮するための準備」です。
不安なときに“受かる人の行動”に寄せるための実践ステップ
ここからは、「今かなり不安側にいる」と感じる人が、今日から真似しやすい具体的なステップを紹介します。全部を一度にやる必要はありません。できそうなところから1つずつ取り入れてみてください。
ステップ1:出題基準チェックリストを作る
- 出題基準を手元に用意し、印刷するかノートに写す。
- 各小項目ごとに、「テキストのページ」「過去問集の番号」を書き込む。
- 勉強した項目にはチェックを入れ、「どこまで進んだか」を見えるようにする。
「どこまでやればいいか」「今どれくらいできているか」が視覚的に分かると、不安が少し和らぎます。
ステップ2:必修専用ノートを1冊作る
- 1冊のノート(またはカード束)を「必修専用」にする。
- 感染、統計、社会保障、倫理、安全、基礎看護など、必修でよく出るテーマごとにページを分ける。
- 各テーマの「最低限これは」というキーワードと、その簡単な説明を自分の言葉で書く。
毎日10〜15分、このノートだけを見る時間を作ることで、「必修で落ちるかも」という不安を小さくしていきます。
ステップ3:過去問の“間違いノート”を作る
- 過去問を解いたあと、×と△だけをノートやアプリに写す(問題文は要約でOK)。
- 各問題ごとに、「なぜ間違えたか」「次に同じテーマが出たらどう考えるか」を1〜2行で書く。
- 同じテーマの問題を見つけたら、同じページに追加していく。
このノートは「自分専用の弱点集」です。不安になったときは、新しい問題に手を出す前に、このノートを優先して見返すようにしましょう。
ステップ4:勉強ルーティンを「平日用」「休日用」で決めてしまう
不安なときほど、「今日は何をやろう?」と迷ってしまい、時間だけが過ぎてしまいがちです。あらかじめ「パターン」を決めておくと、迷いと不安が減ります。
- 平日ルーティン例:
・通学・通勤:一問一答/必修ノート
・放課後・帰宅後:2〜3時間で「1領域の過去問+解説読み」 - 休日ルーティン例:
・午前:過去問演習(一般)
・午後:状況設定問題 or 苦手科目
・夜:必修+間違いノートの見直し
「やること」があらかじめ決まっていると、その日の気分に左右されずに勉強を進めやすくなります。
ステップ5:1日の終わりに「今日できたことを3つ書く」
メンタル面の不安対策として、とてもシンプルですが効果が高い方法です。
- 今日解いた問題数や、終わらせた範囲。
- 新しく理解できるようになったこと。
- 続けられた習慣(早起き・必修ノート・一問一答など)。
「できなかったこと」ではなく「できたこと」に意識を向ける練習は、本番前のメンタル安定にも大きく役立ちます。
不安でも大丈夫、「受かる人の特徴」は真似できる
合格率90%という数字は、「特別な人だけが受かっている」のではなく、「多くの人が合格しやすい行動を選んでいる」という裏返しでもあります。
改めて、「受かる人」の特徴をまとめると次の5つです。
- 出題基準と過去問を軸にして、勉強の優先順位をつけている。
- 必修を別枠で管理し、早めに40点ラインの安心感を作っている。
- 過去問の復習の質が高く、「×の問題」を宝物として何度も見ている。
- 勉強法と教材を絞り、「自分なりの解き方の型」を持っている。
- 生活リズムとメンタルケアを「国試対策の一部」として扱っている。
今、不安を感じているということは、「国試を真剣に考えている」ということでもあります。その不安をエネルギーに変えるために、今日からこの5つのうち「できそうな1つ」だけで構わないので、行動に移してみてください。行動が1つ増えるたびに、不安は少しずつ「根拠のある自信」に変わっていきます。


